アパート経営のポイント

アパート経営では、安定した収益を継続して維持することができるかどうかにかかっています。最近の調査によれば、都内における賃貸住宅の空室率は、30%を超えているとの報告もみられます。
賃貸住宅戸数が飽和状態である現状において、入居者募集を行えば、すぐに入居希望者が次々に現れて、部屋が埋まっていく様な状況ではなくなりました。
また、賃貸住宅戸数が増えたこと、およびデフレ基調の経済状況下においては、賃料相場も下降傾向にあります。
このように、厳しい環境のもとであえて、アパート経営に乗り出すのですから、対策を十分に講じて、事業を成功させねばなりません。
入居者に魅力ある間取り・設備・住環境を提供することで、他のアパートとの差別化を図り、入居者に納得して選んでもらえる住宅を提供することを常に考えることが大切です。
アパート経営の収益は不労所得などでなく、オーナーは、会社経営と同じ視点でキャッシュフローを重視した経営を行う必要があります。

アパート経営のメリット
1.アパート経営は、家賃収入により毎月安定した収入を得ることができ、可処分所得を増やし余裕のある生活をすることができます。また将来の公的年金の不足分を補うこともできます。

2.アパートの土地・建物をローンを利用して購入した場合、ローンは家賃で返済します。完済後は土地・建物が資産として残ります。手元に残った土地に、アパートを建て替えて賃貸経営を継続したり、売却して収益を得ることも可能です。このように資産形成には、アパート経営は最適と言えます。

3.給与所得者でアパートを経営していて、その収支が赤字の場合は、給与所得からその赤字分を控除することができます。その場合課税対象額が減少するため、すでに源泉徴収された所得税から還付を受けること(損益通算)ができます。

4.アパート購入のため銀行のローンを利用する際に、銀行の指定する「団体信用生命保険」(通称「団信」と云われています。)に加入すると、本人がアパートローンの返済途中で、死亡・高度障害になった場合に、本人に代わってローンの残債は生命保険会社によって支払われることになります。アパートは家族に残されて、毎月の収入を受け取ることができるようになります。

5.銀行のローンを利用することにより、少ない自己資金ではじめることができ、大きな資産形成を可能にします。土地がない人、資産の少ない人でも不動産投資は始められます。

6.アパート経営というと、土地を持った地主さんが行う土地の有効活用のイメージがありますが、購入した土地と建築したアパートを担保にローンを組むことができますので、とくにサラリーマンの方には有効な資産形成の手段と云えます。

アパート経営のリスク
1.まずもっとも大きなリスクは、不動産や不動産投資の知識が不足している事です。アパート経営に関する知識を身に付けることが、リスクを軽減させるひとつの方法です。

2.空室が続けばローンの返済にも影響し、返済ができなければ、競売にかけられ、アパートを失ってしまいます。そうならないためにも、立地とアパートのプランを慎重に考慮するとともに、空室率が高くならないような工夫が必要になります。

3.満室であっても、滞納者が居れば家賃は入りません。 滞納がわかった時点で、即本人や保証人への催告を行い、素早く対処することが最も大切です。滞納の状態を放置し2カ月も3カ月もそのままにしているのは、オーナー側にも問題があると思います。

4.建物の老朽化が進むと、家賃を下げないと入居者を確保できなくなり、老朽化した部分の補修・修繕費用もかかるようになります。

5.地震や火災もやはり、リスクです。地震や火災などの災害に備えて、火災保険や地震保険に加入する必要があります。

6.将来、アパートローンの金利が上昇することもあります。

その他、あげればきりがないかもしれませんが、うまくリスクをヘッジして継続して収益をあげることが、「アパート経営」において、もっとも重要なことです。